毎月花火の上がるまち〜大仙市〜

 大仙市大曲といえば「大曲の花火(全国花火競技大会)」で全国的知名度がある街です。
平成17(2005)年3月22日、旧大曲市を含む周辺8町村は、合併し「大仙市」となりました。この合併を期に、毎月大仙市内のどこかの地域で花火を上げることによって、新市を盛り上げようと企画しているのがNPO法人「大曲花火倶楽部」です。
 今回は、その「大曲花火倶楽部」代表の賢木(さかき)新悦さんにお話を伺いました。賢木さんは、お仕事の傍らこのNPO活動に尽力されており、当社が高速道路に関する皆様からのご意見を広く募集するために開催している「秋田・はいうぇい人街ネット地域連絡会」の外部委員として参加していただいています。
■大曲花火倶楽部

 大曲花火倶楽部は、平成3年に花火をこよなく愛する有志によって設立されました。世界に誇れる日本の花火技術のレベルアップと、地域活性化を図ることを目指しました。平成14年には、花火を通してまちづくりを進める団体としては日本で初めてNPO法人の認証を受けており、現在の会員数は80人です。
 大曲花火倶楽部が最初に始めた主だったイベントが、毎年3月(秋田はまだ雪)に行われている「新作花火コレクション」です。始めた当時、若い花火師の花火離れが目立っている中、花火師に新しい感性を取り入れる場所を提供し、また鑑賞者には「花火=(イクオール)夏」という常識を覆す、そして、大曲を花火の流行・情報の発信地として内外にアピールし,また,地域の人々に花火への理解を深めてもらう、このようなことから始められました。
この新作花火コレクションは、大曲料金所の営業開始(秋田道横手〜秋田南間の開通)の翌年である平成4年に始められ、今ではすっかりイベントとして定着しています。賢木さんは、「イベントは継続することが大事だ。」とおっしゃいます。ちなみにこの会場である大曲ファミリースキー場、秋田道大曲インターチェンジから僅か1.5kmの至近距離。毎年多くのお客様にご利用いただいております。
また、「花火鑑賞士」という他にはない資格を提供しています。これは花火を知的に、かつ、楽しく鑑賞するための技術向上を図ることにより、市民レベルでの花火の普及に資することを目的としており、試験を実施したうえで認定されます。現在の花火鑑賞士の人数は200人、今では秋田県外の人が3分の2も占めるようになり遠くは岡山県から参加されています。
このようなことにより花火が盛り上がることはもちろん、交流人口が増えると大曲花火倶楽部では考えています。

     
■地域の活性化を目指して

 冒頭に記したように大仙市発足後、大曲花火倶楽部では、毎年、市内のどこかで花火のイベントがある街として、今まで以上に「花火の街」をPRしようと力を注いでいます。これは、8月のいわゆる大曲の花火を含め、元々いくつか市内で花火は行われていましたが、それを毎月花火大会をやっているように埋めたものが現在の形です。「花火暦(こよみ)」としてPRしています。
この企画を始めたきっかけについて尋ねてみました。合併して何かいいことあったか、とある人から聞かれ、「それなら毎月どこかで花火やってしまおう」と思いついたことからだとか。でもそれはきっかけであって、意図するところは更にあります。秋田県の人口は増える見込みは残念ながら厳しい状況です。地域活性化を探るにあたって、この県内の中で何とかしようと思っても難しい。そこで、県外から来てもらえばいい、人を動かすことが大事、つまり毎月花火が上がり、イベントとして定着すれば、毎月交流人口が増える。それで地域が活性化する、という考えです。

この花火暦の毎月の花火では色んなバラエティに富んだ花火で構成されています。正月には旧市町村で同時に花火が打ち上がる。これって他にはないですよね。 4月は大曲インターチェンジ近くの余目公園の桜を見ながら花火。余目公園は桜で埋め尽くされた小高い山で、花火が打ち上がる方向には仙北平野が広がっている。 それ以外にも5月の南外地域の蔵元出羽鶴が主催の酒をたしなみながらの花火、11月の残月花火・・・。残月花火とは、落下傘のついた花火です。普通はどこに落ちるかわからない落下傘を観客が追いかけるものですが、ここでは所定の場所に落とさないといけないため、風向き・風の強さを考慮し、花火師が打ち上げ場所を移動するそうです。
2010年がスタート以来100年となる大曲の花火(明治43年開始)は、今では70万人の観覧客が押し寄せる大会となりました。でも大曲の花火は8月第4土曜日のたった一日だけで、慢性的な渋滞問題等が発生しています。その1日に70万人が集中するよりは、同じ70万人のお客を呼ぼうとすれば、10万人が7回の大会に分かれて来てもらった方が地域は活性化するはず。そういった考えで1年12ヶ月に1回ずつイベントを企画したのです。

■花火のエネルギーが大仙に、秋田に人を集める

 大曲の市街地を歩いていると、街のあちらこちらで「花火」の雰囲気を感じ取ることができます。「花火ラーメン」も人気だそうです。すっかり「花火のまち大曲」は定着しつつあるようです。

NPO法人は非営利組織なので、この活動により儲けを得る訳ではありません。会員の皆さんはボランティアでこの活動をされています。何が彼らを引きつけているのでしょうか。
賢木さんはこう語ってくれました、「ドーンと打ち上がる花火を見る皆が喜んでいるのを見ると嬉しいから。」
その言葉からも楽しく活動されているなと感じました。
最後に「花火ってエネルギー」と、とても熱く語ってくれた賢木さん。賢木さんもとてもエネルギッシュでした。その気概がイベントを成功いるのではないか、そう思いました。イベントは続けることが大事なのです。

なお、今回お話を伺った場所は大曲駅から徒歩2分、花火通り商店街にある花火庵。ここには、大曲の花火にまつわる展示品が並び、休憩所としてもご利用できます。

NPO法人 大曲花火倶楽部
大仙市大曲須和町1-1-57
電話 0187-62-6887  FAX 0187-63-4094

         

2008年の全国花火競技大会は8月23日(土)。
今回で第82回を迎えます。どんな感動が見られるのでしょうか。